4つの看護師が行う環境整備の目的とは

看護師が環境整備を行うことには、4つの目的があります。

まず1つめは、「安全な環境の整備」です。病室は患者にとって、治療する場であると同時に生活する場でもあります。患者の入院生活は、ほぼベッドとその周辺に限られ、その限られた空間で不安や辛さ、ストレスと闘いながら過ごすことになるのです。そのような状態を少しでも緩和するためにも、転倒や転落事故などが起こらないようにするための安全対策などを行い、過ごしやすい環境を整えます。

2つめの目的は、「衛生的な環境の整備」です。病院は感染症の患者も多く集まるところです。入院している患者は、健康な人よりも免疫力が低下している人が多く、そのような病気に感染するリスクが高いため、衛生管理はたいへん重要だと言えます。院内感染が起こらないように、医療器具や病室だけでなく、共用のトイレやお風呂など、さまざまな場所の衛生状況を徹底的に管理します。

3つめは、「心地よく過ごせる環境の整備」です。人間にとって、「空気」「明るさ」「音」「臭い」はストレスなく過ごせるかどうかを判断する大切な要素です。温度や湿度が高すぎたり低すぎたり、明るすぎたり暗すぎたり、うるさすぎたり、不快な臭いを感じたりすると大きなストレスを感じてしまいます。また、隣の患者との不和や看護師への不満など、精神的なストレスも、免疫機能の低下などを引き起こしてしまうため、そのようなストレスの原因を取り除きます。

4つ目の目的は、「環境整備を通して患者の情報を得る」ことです。環境整備の業務を行いながら患者とコミュニケーションを取ることによって、体の状態に関する情報収集をするのも大切な看護師の役割です。